データ容量は増える一方という状況の下、Webサーバの重要性がますます高まっています。オートスケーリング(自動拡張・縮小機能)はその利点のひとつです。Webサーバの活用メリットと、この機能を応用したデータベースの運営についてご紹介します。

Webサーバの役割とその重要性の高まり

Webサーバが必要とされる背景として、Web処理が増えている状況についてまず考えてみましょう。

Web処理が高まる背景

日々、コンピューター上の情報は蓄積されていきます。経理や商取引上のデータは法律で保管期間が決められており、社内のコミュニケーションが対面や電話から電子メールに移行し、さらに高精細な画像データを多用した情報も増えるようになりました。企業の対外コミュニケーションもホームページによる商品の紹介、オウンドメディアなどによる情報提供、問合わせや購入のWebチャネルの増加なども要因のひとつです。そして、スマートフォンが普及したことでB to Cのコミュニケーションもデジタル経由が増えました。社内のIT処理もクラウドを使うようになり、ビッグデータやAIの時代を迎え、磁気テープに保管されていたようなデータも利用価値が注目され、IoT(モノのインターネット)の普及でデータの取得先はさらに広がっていくことになります。

Webサーバがポイントに

ここで重要なことは、増えるデータにどう対処するかということです。IoTやビッグデータの活用がビジネスの成否を左右するようになり、データを取得しない、集積しないという方針は時代に逆行することになります。ビジネスの好機を放棄するといっても過言ではありません。しかし、無尽蔵に拡大するデータに合わせ自社のサーバを増やす一方ではコストがかさみ、構築・拡張スピードも満足のゆくものとはならないでしょう。そこで活用されるのがWebサーバです。

AWSによるWebサーバの自由度の獲得

AWSが提供するWebサーバを例に、特徴を示してみます。

短期間に十分な体制を構築

自前のサーバをひとつ増やすのと、すでにあるWebサーバを利用するのでは調達までの速度と直後の安定性の確保は比べものにならないでしょう。ひとつのポイントは業務の繁閑、データの増減に合わせ自由に利用容量を変更できることです。「必要な量を必要なだけ」Webサーバの能力を利用できます。急激にデータが増えるような状況を迎えても、慌てることなく対処でき、ビジネスの機会を逃しません。

自動応答でさらに安心・確実に

AWS上のWebサーバはEC2が提供する仮想コンピューティング環境の中で、扱いやすいシステムを提供しています。なかでもAuto Scaling (オートスケーリング)は、サーバ負荷の上昇で自動的に新しいサーバを増やせる機能です。オフピーク時は必要最低限のサーバ台数のみの稼動でコストを削減し、予測できないようなデータの増加にも自動対応しますので、利用者の負担を減らす効果も期待できます。もちろん、事業の動きに合わせて計画的に容量を設定することも可能です。

ストレージの自動スケーリング機能を活かしたDB、Amazon Aurora

このサーバやストレージの容量を流通するデータ量に合わせて自動的に拡大、縮小する機能を十分に生かせるデータベースがAmazon Auroraです。ビッグデータの時代、あらゆるデータをビジネスのための分析に活用する状況となりますが、難しいのはその分析データの取捨選択です。すべてのデータを機械的に保存していたのでは、データ処理のピークに限界を超えてトラブルが生じないとも限りません。そのため、通常使わない可能性の高いデータは棄てるという面倒な作業が生じます。Auroraなら拡張機能により、とりあえず一括で蓄えておくことができ、使わないデータは後に捨てて、再び容量をダウンすればいいことになります。

障害時にも効果的

フェイルオーバーのような障害が発生し、代替機へ処理を受け継ぐ必要があるときにもっとも大切なことは、短時間に切り替え、その間の処理のダウンタイムを最小化し、データの取りこぼしを極力抑えることです。オートスケーリング機能を活かしたAuroraは、フェイルオーバーに素早く自動対応できるので、データ取得機会の損失を縮小できるのです。

利用者の利便を考えたクラウドの進化

クラウドのメリットは、“借りる”ことによる調達期間の短縮やコストの縮小なのはいうまでもありません。さらに、利用範囲を自由に“変えられる”ことが新しい価値となります。しかも、不測のデータ処理の容量拡大に対しても“自動的に応える”機能にまで進化しました。クラウドは、利用者の利便を考えた利用形態や機能を常に強化、そして進化させているのです。

参考: