電子メールやデータ共有、財務会計、プロジェクト管理、Webサイト構築、課金・決済システムなど、企業のクラウド活用は年々その幅を広げています。
また、2017年1月に国内のメガバンクで初のAWS採用のニュースが報じられたことで、これまではクラウド活用に慎重であった金融業界も続々とその活用の検討を始めるなど、いまでは業種に関係なくクラウド活用が一般的になろうとしています。
そこで重要になってくるのが、大量のデータを扱う際にかかる負荷を分散させるロードバランサです。
今回はAWSのロードバランサ、ELBのメリットと種類について紹介します。

サーバの負荷を分散し処理性能を維持させるロードバランサの重要性

総務省が発表した平成29年版情報通信白書によると、2016年度のインターネット利用者数は、前年2015年より38万人増加し、1億84万人です。
これを人口普及率で見ると83.5%で、日本人の10人に8人以上がインターネットを利用していることになります。

これだけの人が日常的にインターネットを使うようになったことに加え、スマートフォンやタブレット端末の普及もあり、いつでもどこでも気軽にインターネット接続が可能になりました。
そして、TwitterやFacebookなどSNSにより以前にも増して情報の伝達スピードが速くなっています。
その結果、新商品の情報、テレビや雑誌での紹介、炎上など、良い悪いにかかわらずちょっとしたことでも急激にWebサイトへのアクセスが増加することも珍しくありません。

そこで重要になってくるのが、急激なアクセス増にも耐えられる体制をいかに構築するかです。
いまや電気、ガス、水道などのライフライン同様に365日24時間稼働することが求められるようになったインターネット。企業などのWebサイトは障害や保守などによって閲覧できなくなってしまうことで、ときには大きな損失を生み出してしまうこともあります。
万が一のときにもサービスを停止することなくWebサイトの稼働を維持するには、いかにサーバの負荷分散をうまくやっていけるかが重要なポイントです。そのためのロードバランサの選択が、企業のネット、クラウド活用を成功させるかどうかのカギを握っているといえます。

AWSのロードバランサ、ELBの種類と特徴

企業がネット、クラウド活用をすることのメリットの1つは、スモールスタートが可能な点です。
これにより大企業だけでなく、中小企業であってもネットを活用したビジネスを展開していけます。
今回ご紹介するAWS(Amazon Web Services)のロードバランサ、ELB(Elastic Load Balancing)もスモールスタートに最適なサービスです。
以下に簡単にその種類と特徴をご紹介します。

ELBの種類

  1. Application Load Balancer
    HTTP トラフィックおよび HTTPS トラフィックの負荷分散に最適なロードバランサです。Webサイトのロードバランサとして使用するのであれば、このロードバランサをおすすめします。
  2. Network Load Balancer
    TCPトラフィックなどネットワーク系の負荷分散に最適なロードバランサです。
  3. Classic Load Balancer
    複数のAmazon EC2インスタンスにおける基本的な負荷分散を行うのに最適なロードバランサです。

ELBの特徴

ELBは用途に応じて効率的に負荷分散が行えることはもちろん、それ以外にもいくつかの特徴があります。

  1. 従量課金で利用可能なため、スモールスタートが可能
    ELBは従量課金制のため、稼働時間、処理したトラフィック量に応じた分のみの支払いとなります。月数千円から利用可能なため、スモールスタートに最適です。
  2. スケーラブルのため、万が一の際の規模拡大にも対応
    トラフィックの急激な増加があった場合、ELB自身が自動的にスケールするため、万が一の際の機会損失を防ぐことができます。
  3. 運用管理がアウトソーシングサービス(マネージドサービス)のため自社で行う手間が少ない
    障害時の管理は基本的にマネージドサービスのため、自社で行う必要がなく手間がかかりません。

ELBを導入することで得られるメリットとは?

低コストでスケーラビリティも高く、管理の手間もかからないといった特徴を持つELB。
これだけでも導入する価値は十分にありますが、ELBを導入することで得られるメリットはそれ以外にもあります。

  1. 負荷分散対象のサーバ増減にも対応
    EC2のオートスケーリング機能と組み合わせることで、状況に応じて負荷分散対象のサーバ台数を増減させることができ、サーバを含めたコストの最適化できます。
  2. 無料でSSL証明書の利用が可能
    通常、購入コストが高く、契約期間ごとの更新が必要なSSL証明書を無料で利用できるうえ、自動更新されるため、手間もかかりません。
  3. セキュリティも万全
    ELBを導入することでウェブアプリケーションへの一般的なDDoS攻撃対策のAWS Shield Standardが自動かつ無料で有効になります。

スモールスタートに最適なAWSのELB

AWSのロードバランサ、ELBは従量課金型であり使い方次第では月額数千円程度の出費で済むため、大企業だけなく、中小企業のスモールスタートにも最適なサービスです。
また、低価格ながら、さまざまな要件に対応することができ、無料でSSL証明書の利用など万全なセキュリティが用意されているため安心です。
企業のネット、クラウド活用に大きな役割を果たすAWSのロードバランサ、ELB。導入の検討をおすすめします。

参考: