DXの切り札!? AWSとkintoneを組み合わせる

DXの切り札!? AWSとkintoneを組み合わせる

kintoneはプログラミングなし(ノーコード)でアプリケーションを作成でき、作成したアプリケーションの実行もできるプラットフォーム(開発・動作環境)です。そのためkintoneは業務担当者が、業務に必要なアプリケーションを自ら作成する用途に向いているツールといえます。

ですがkintoneも万能ツールではありません。取り扱えるデータ量や1つのアプリケーションに許される1日あたりのAPIコール数をはじめとする制約があり、大容量データを常時大量に取り扱うことはkintone単独では難しいケースもあります。

ではどうすればよいのでしょうか?
今回はkintoneに足りない機能をAWSに任せるとどうなるかをみていきましょう。

kintoneの制限値

kintoneには制限値があり「制限値一覧」として公開されています。

kintone制限値一覧  https://jp.cybozu.help/k/ja/admin/limitation/limit.html

一覧にはkintoneの機能毎に制限値が書かれています。
詳しくは上記URLを直接ご確認いただきたいのですが、例を挙げると、kintoneから「一度に書き出せるCSVファイルのサイズは100MBまで」。また、「REST APIの同時アクセス数は1つのドメインにつき100」となっています。

kintoneに限らずどんなツールにも制限値や機能制約があるものです。
当社ではDX推進のおすすめツールとしてkintoneをご紹介していますので、ここではkintoneの制限値を取り上げました。
皆さんもご利用予定のツールがあれば、ぜひその制限値や機能制限を確認することをおすすめします。

そして、制限値や機能制限を踏まえた上で、それぞれのツールが持つメリットに着目し、メリットを引き出しながら不足する機能をおぎなう方法や組み合わせが見つかれば、DXに向けた大きな推進力が得られることでしょう

kintoneとAWSを組み合わせる

このようにkintoneにも制限値があります。一方でkintoneが持つノーコードでアプリケーションを作成できる機能性や、簡易なデータ管理や分析を手軽におこなえる操作性には大きなメリットがあります。

kintoneの良さを活用し、逆に足りない部分をおぎなう方法として、当社ではkintoneとAWSとの組み合せ活用をおすすめします。

AWSは皆さんご存知のようにアマゾン ウェブ サービス社が提供する世界最大級のクラウドサービスです。AWSはIaaS、PaaS、SaaSを問わず、200を超えるクラウドサービスを提供しています。

また、AWSは世界中にクラウドサービスの提供拠点を持ち、まさに世界規模のサービス提供基盤を活用して、安価で、データ量の増減にも柔軟に対応でき、高いセキュリティを確保し、スピーディーなサービス提供を可能にするクラウドサービスを展開しています。
より詳しくは以下のURLをご確認ください。

AWSのクラウドが選ばれる10の理由  https://aws.amazon.com/jp/aws-ten-reasons

このようにAWSは圧倒的なサービス提供力を誇りますが、業務担当としてアプリケーションを利用する立場からみると、使い勝手、つまりユーザーインターフェースではkintoneに一日の長があるように感じます。
kintoneはサイボウズ社が開発する国産ツールですので、日本人の操作感に馴染みやすいのかもしれません。

では話を戻して、使い勝手の良いkintoneと、圧倒的なサービス提供力を持つAWSをどう組み合わせるのかみていきましょう。

もちろん、kintoneとAWSの組み合わせ方はアイデア次第で無限大です。
ここでは僭越ながら当社が提供するサービスを例に、組み合わせをご紹介していきます。

kintone x AWSメール(Amazon WorkMail)

業種業態にとらわれないコミュニケーション手段に「メール(電子メール)」があります。
そこで「メール」を例に、kintoneとAWSの組み合わせ活用をみていきましょう。

ご存知のとおりメールを送受信するには、送受信をつかさどる機器と仕組みが必要です。かつては各企業内にメールサーバーが設置され、任命された担当者によって管理されていましたが、今では多くの企業がMicrosoft社やGoogle社、またはそれ以外の企業が提供するメールサービスを利用しているのではないでしょうか。

AWSからもメールサービスとして「Amazon WorkMail」が提供されています。ただし、これは企業向けに提供されているサービスで、いわばかつて各企業内に設置管理されていたメールサーバーをクラウドサービスに置き換えたものといえます。

Amazon WorkMail  https://aws.amazon.com/jp/workmail/

当社ではこのAmazon WorkMailとkintoneを組み合わせた「CROSSLink メル箱(メルばこ)」というサービスを提供しています。

CROSSLink メル箱  https://www.crosshead.co.jp/solution/crosslink_melbako/

これはAmazon WorkMailを使って当社が提供するメールサービス基盤で受信したメールの内容を、kintoneで作成したアプリケーションに自動で取り込むkintoneプラグインです。なおメール送信には対応していません。

サポート業務や営業業務で日々受信するメールの内容をkintoneで作成したアプリケーションに手作業で書き写して対応履歴管理や顧客管理をしている場合、CROSSLink メル箱を使えばこの転記作業がすべて不要になります。

受信メールの内容はリアルタイムにkintoneアプリに取り込まれ、抜け漏れや転記ミスもなくなります。

また少し見方を変えると、CROSSLink メル箱は受信メールをkintoneに取り込むためのサービス基盤ととらえることもできるでしょう。

このサービス基盤を応用し、たとえばIoTセンサーや監視システムなどから自動送信される定型メールの内容をkintoneに取り込めば、kintoneでこうした情報の履歴管理や集計、分析ができるかもしれません。

ただし、受信メール本文から抽出したい文字列の内容は受信メールによってさまざまです。
そのため標準機能のCROSSLink メル箱では受信メール本文から特定の文字列を抽出することには対応していません。

ただし、カスタマイズ開発を加えることでメール本文からの文字列抽出も可能になります。
ご興味ある方はぜひ当社までご相談ください。

このようにAWSが提供するサービスとkintoneを組み合わせると、アイデア次第で業務効率を大幅に向上できる可能性が広がります。

当社ではkintoneを使ったDXを、最も心理的・物理的な負荷が高い業務からスモールスタートではじめることをおすすめしています。
まさに大量に届くメールの転記作業などは心理的・物理的な負荷が高い業務にあてはまるのではないでしょうか。

業務効率化を通じて、担当者の時間を自社の競争力を高める方向に振り向けていく。
これもDXの第一歩といえるでしょう。

まとめ

今回は当社が提供するサービスを例に、kintoneとAWSの組み合わせによるDXのすすめかたをみてきました。

ご紹介した電話やメールは業種業態を問わない一般的な用途の例として取り上げましたが、皆さんの業務内容は多種多様です。
それぞれの業務に合わせてkintoneとAWSのクラウドサービスを上手く組み合わせることで、より効率的かつ迅速にDXが進むのではないでしょうか。

1つのツールやサービスに縛られることなく、それぞれの長所を活かし、いかに柔軟に上手く組み合わせられるかがDX成功のカギになるかもしれません。

※アマゾン ウェブ サービス、Amazon Web Services、Amazon WorkMailおよびAWSは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

関連記事一覧

  1. なぜスモールスタートでのDXなのか?
  2. DXの社内浸透の進め方
  3. ざんねんなDX 失敗あるある

クロス・ヘッド ロゴ

PAGE TOP