目次
パッケージ版 Garoonサポート終了とは?
サポート終了の正式発表・対象製品についての概要
2025年7月7日(月)、サイボウズ社は、パッケージ版 Garoonの販売およびサポート終了を正式に発表しました。
パッケージ版 Garoonは、2026年から2031年にかけて順次販売を終了し、2033年には、サポートを終了することとなります。
主な対象製品は以下となります。
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- パッケージ版 Garoon
- パッケージ版 Garoon モバイル
- グループメール for Garoon
- ガルーン for LGWAN
- サイボウズ リモートサービス
販売およびサポート終了の背景など、詳細情報はサイボウズ社の発表ページをご参照ください。
「パッケージ版 Garoon」販売・サポート終了のお知らせ
https://cs.cybozu.co.jp/2025/010862.html
サポート終了日と今後のスケジュール
パッケージ版 Garoon全製品のサポート終了日は、2033年1月31日(月)とされています。
サイボウズ社の発表によると、サポート終了までの主なスケジュールは以下の通りです。
2026年10月30日(金) パッケージ版 Garoon のサポート終了日を超える組み合わせ(「新規+継続5年」)の販売終了 |
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2027年10月29日(金) パッケージ版 Garoon 5 サポート終了 パッケージ版 Garoon 新規/バージョンアップ/乗換/複数年(2~5年) 販売終了 新規カスタマイズ/仕様変更を含む追加カスタマイズの受付終了 ※バージョンアップ対応や不具合改修はサポート終了まで継続 |
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2031年10月31日(金) パッケージ版 Garoon 継続単年/再契約/追加 販売終了 リモートサービスのスタートセット/継続/ユーザー数変更/セキュアアクセスオプション 販売終了 |
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2033年 1月31日(月) パッケージ版 Garoon 6、リモートサービス サポート終了 カスタマイズ保守(バージョンアップ、不具合改修)終了 |
これらの終了にともない、以下のサービスが利用できなくなります。
利用できなくなる主なサービス:
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これらのサービスが停止されることで、製品の安定性や安全性に対するリスクが高まる可能性があります。
特に、バージョンアップやテクニカルサポートが提供されなくなることで、製品の脆弱性が放置される可能性があり、予期せぬ不具合や障害の発生につながる恐れがあります。
さらに、社内システムなどの他システムと連携を行っている環境では、脆弱性が原因となり、情報漏洩や業務停止といった重大な影響を及ぼすリスクも否定できません。
こうしたリスクは、万が一情報漏えい事故などが発生した場合、企業の信頼性や事業継続性に直結するため、決して軽視できるものではありません。
とはいえ、サポート終了までには十分な猶予期間が設けられています。
今すぐすべてを決める必要はありませんので、ご安心ください。
当社では、パッケージ版 Garoonのサポート終了を受け、今後の対応を検討している方々に向けて、
クラウド版 Garoonへの移行に関するポイントや注意点、社内体制の整備に必要な情報をわかりやすく、複数回にわたってご紹介していきます。
できるところから、今後の準備を少しずつ進めていきましょう!
パッケージ版 Garoonや関連サービスの利用状況を確認しよう
最初のステップは、自社で現在どのような製品やサービスを利用しているかを把握することです。
まずは現状を整理することで、今後の対応方針を立てやすくなるでしょう。
パッケージ版 Garoonや関連サービスの利用状況
パッケージ版 Garoonのバージョンは、アクセス後の画面下部(フッター)に表示されています。また、ログイン前のログイン画面でも、ログイン後のトップページでも確認可能です。
(パッケージ版 Garoon アクセス後の画面下部(フッター)のイメージ)
この機会に「サイボウズ リモートサービス」や「グループメール for Garoon」といった、他サービスの利用有無も事前に把握しておくとよいでしょう。
クラウド版に移行する際、これらの機能がそのまま使えるとは限らないため、代替手段の検討や再構築が必要になる可能性があります。
特に以下のようなケースでは注意が必要です:
- 独自のカスタマイズをしている場合
- 外部システムとの連携(勤怠管理、会計ソフトなど)をしている場合
- サードパーティ製のプラグインやアドオンを利用している場合
これらの情報を整理しておくことが、移行後のギャップやトラブルを未然に防ぐことにつながるのではないでしょうか。
【3分でチェック】自社のGaroonへの影響は?セルフ診断
自分の会社が、今回のパッケージ版 Garoonのサポート終了にあたってどのような影響を受けるのか、以下のチェックリストで確認してみましょう。
パッケージ版 Garoon 6を利用している
Garoon 6のサポートは、2033年1月31日(月)までとなります。
そのため、今すぐの対応は不要ですが、サポート終了までにクラウド版 Garoonへの移行を計画的に進めましょう。
パッケージ版 Garoon 5を利用している
Garoon 5のサポートは、2027年10月29日(金)までとなります。
サポート終了までにGaroon 6へのバージョンアップ、またはクラウド版 Garoonへの移行を検討する必要があります。
パッケージ版 Garoon 5より古いバージョンを利用している
Garoon 5より前のバージョンは、すでにサポートが終了しています。
そのため、早急にGaroon 6へのバージョンアップ、またはクラウド版 Garoonへの移行を進める必要があります。
クラウド版 Garoonを利用している
今回のサポート終了はパッケージ版 Garoonが対象となるため、影響はございません。
いかがでしたでしょうか?
より具体的な対応方法や、移行に向けた検討ポイントについては、次の章で詳しく説明していきます。
今後の選択肢:バージョンアップ(Garoon 6)とクラウド移行の案内・比較
情報の整理が完了したら、次は今後の対応を検討する必要があるでしょう。
現時点でとれる選択肢は、「最新バージョンへのバージョンアップ」と、
「クラウド版 Garoonへの移行」の2つが挙げられます。
本章では、それぞれの特徴やメリット、注意点を整理し、判断ポイントをご紹介します。
最新バージョン(Garoon 6)へのバージョンアップ
まずご紹介するのが、現在のパッケージ版 Garoonを継続利用するために、
最新バージョン(Garoon 6)へアップデートする方法です。
パッケージ版のGaroon 6は、当面の間サポートが継続されます。(詳細なスケジュールは、「1.2. サポート終了日と今後のスケジュール」をご参照ください。)
現在利用中のバージョンがGaroon 5よりも古い場合は、パッケージ版の最新バージョンであるGaroon 6にバージョンアップすることで、当面の利用継続が可能です。
Garoon 6へのバージョンアップにより、サポート期間を延長し、現行の運用環境を維持しながら、段階的な移行準備を進めることができるでしょう。
サポート期間延長のため一旦Garoon 6へバージョンアップする主なメリット:
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※ Garoon 5以前のバージョンを利用中の場合は一旦Garoon 6へのバージョンアップを行ってからクラウド版へバージョンアップすることが製品仕様上必須とされている
注意点として、パッケージ版Garoon 6へバージョンアップした場合も、サポート終了までにはクラウド版 Garoonへの移行が必要になるため、バージョンアップはあくまで「一時的な延命措置」として捉える必要があります。
クラウド版 Garoonへの移行 ※サイボウズ社推奨
次にご紹介するのは、クラウド版 Garoonへの移行です。
これは、サイボウズ社が推奨する対応です。
パッケージ版 Garoonユーザー様向けクラウド版のご案内
https://garoon.cybozu.co.jp/on-premise_close/cloud/
クラウド版 Garoonは、常に最新の機能やセキュリティアップデートが提供されるほか、利用者側もサーバー管理や保守作業の負担が軽減されるため、安定した運用と生産性の向上を両立できる選択肢といえるでしょう。
クラウド版 Garoonへ移行する主なメリット:
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このように、クラウド版 Garoonへの移行は多くのメリットがありますが、事前にいくつかの準備が必要となります。
まず、社内での運用ルールやアクセス権限の見直し、関係部署との調整が求められるでしょう。
これらは情報システム部門だけでなく、現場部門との連携も必要となるケースもあるかもしれません。
特に、社内システムなど他システムと連携している場合は、クラウド環境での互換性などの動作確認や、動作に問題が生じた場合はGaroonと連携する他システムの再構築や修正の可否を確認することが重要になるでしょう。
また、クラウド版へ移行するためには、利用状況に応じて、バージョンアップ、データ移行、設定変更、などの作業が必要となるため、一定の時間とコストがかかる可能性もあります。
このようなことから、クラウド版への移行を進める際には、余裕を持ったスケジュールと社内体制の整備が重要といえるでしょう。
どちらを選ぶべきかの判断ポイント
影響があるユーザーは「最新バージョン(Garoon 6)へバージョンアップ」するか、「クラウド版 Garoonへ移行」するかのいずれかを検討することとなるでしょう。
「最新バージョン(Garoon 6)へバージョンアップ」の場合は、現行の運用を維持しながら、サポート期間を延長することが可能です。
社内のシステムや業務フローを大きく変更せずに済むため、短期的な対応策としては現実的と考えられる場面もあるかもしれません。
特に、すぐに環境変更が難しい企業にとっては、まずバージョンアップを検討するのもよい選択肢となることでしょう。
ただし、この対応が有効なのはサポートが継続されている間に限られます。最終的にはクラウド移行を見据え、あくまで一時的な対応策として捉えるほうがよさそうです。
「クラウド版 Garoonへ移行」の場合は、常に最新の機能とセキュリティが自動で提供されるほか、サーバー管理や保守作業が不要になるため、情報システム部門の負担を大幅に軽減でき、システムの稼働率向上や生産性向上にもつながることでしょう。
また、操作性がパッケージ版 Garoonとほぼ同じであることから、ユーザー教育もほとんど不要で、比較的スムーズな移行が期待されます。
その一方で、クラウド移行にあたっては社内調整や他システムとの連携見直しが必要となるケースもあり、初期導入に一定の時間とコストがかかるかもしれません。
「クラウド版 Garoonへの移行」を選ぶ場合も、「最新バージョン(Garoon 6)へのバージョンアップ」を選ぶ場合も、早めに検討を始めておくことで、移行後のメリットを最大限に活かすことができるのではないでしょうか。
最後に
今回は、パッケージ版 Garoonの製品終息に関する発表を受けて、“サポート終了の概要と今後の選択肢”について、整理しました。
今後の対策を検討するにあたっては、Garoon 6へバージョンアップして現状の運用を維持しながら段階的な移行を進めるのか、それとも将来を見据えてクラウド版への移行を早期に進めるのか、自社の運用体制や業務ニーズを踏まえた判断が求められます。
次回のコラムでは、こうした判断に影響を与える要素のひとつである「サポート終了に伴うリスク」について、整理していきますので、ぜひご覧ください。
著者
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クロス・ヘッドはサイボウズ社のコンサルティング&プロダクトパートナーです。
クロス・ヘッドは、サイボウズ社認定のオフィシャルパートナーとして認定されており、2005年以来のサイボウズ社製品の取り扱い実績を有しています。また、サイボウズが設定しているパートナー評価制度「Cybozu Partner Network Report」にてインテグレーション部門2つ星を4年連続受賞。豊富な実績をもとに、様々なお客様ニーズにお応えします。弊社以外で導入されたお客様へのサービス提供も可能です。
※クロス・ヘッドはサイボウズ社のオフィシャルパートナーです。