目次
DXの進行にはステップ(段階)があると言われているのはご存知でしょうか。
ステップはいわばDXの浸透度や習熟度とも言えるかもしれません。
ここでは基本的な最初の2つのステップについてみていきましょう。
DXのステップとは
DXの基本的な最初のステップは「デジタイゼーション」と言われ、それに続くステップは「デジタライゼーション」と言われます。
この2つはあまり耳馴染みがない上に、非常によく似た響きを持つ言葉ですので、混乱してしまうかもしれません。
最初が「デジタイ」で、次が「デジタライ」と区別しておきましょう。
さて、DXというと大きな変革を大きな組織単位で、多くの予算と長い期間を投じて実施するものというイメージがあるかもしれません。
確かに少し前までエンタープライズと呼ばれる巨大企業で取り組まれたDXにはそういった表現が適切だったかもしれません。
しかしながら、今では少しずつDXの意味や意義、価値などの認知が広がり、さまざまな規模の企業で取り組まれ、数多くの成功事例が生まれていることはご存知かと思います。
つまりDXという得体の知れない難しそうな取り組みが、一般的な規模の企業まで普及してきたと言い換えることができるかもしれません。
おおげさに言えばDXの民主化とでも言いましょうか。
話を元に戻すと、実はDXのステップはその黎明期から規模に関わらず存在していました。ですが、これまではDXを1つの大きなかたまりとして捉えることが多く、ステップを踏むことはあまり意識されなかったのではないでしょうか。
DXの民主化が進んできた今、一般的な規模の企業でもDXを何らかの単位に分割し、体力やリソースに合わせてステップを踏みながら分かりやすく目標設定して進めることが増えつつあります。
それでは早速「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」について順にみていきましょう。
デジタイゼーションとは
もしかすると一般的にイメージされるDXはデジタイゼーションと同義語で語られることが多いのかもしれません。厳密にはDXとデジタイゼーションは別物ですが、詳しくは後ほど触れることにします。
さて、デジタイゼーションとはIT技術を活用して業務をデジタル化することです。
例えば以下のような取り組みが該当します。
● ペーパレスのために電子契約サービスの利用を開始した
● 社員の働き方の変化に対応するためWeb会議ツールを導入した
● 社員の情報共有のためにグループウェアを導入した
● メールよりも活発なコミュニケーションを促すためチャットツールを導入した
● 人が行っていたPC画面の定型操作をRPAによる操作に入れ替えた
● 政府が発行するマイナンバーカードによって行政手続きが簡素化された
● 病院の初診時に事前にWeb問診で症状を詳しく伝えた
など
皆さんもイメージしやすいのではないでしょうか。
このように何らかのITツールを利用して生産性向上や業務効率化、省力化などを実現することをデジタイゼーションと呼びます。
しかしながら、デジタイゼーションの目的はITツールの導入ではありません。
また、生産性向上や業務効率化、省力化が目的でもありません。
それらをフル活用して収益力を高めることがデジタイゼーションの目的です。
そしてまた、デジタイゼーション = DXではありません。
DXの目的はデジタル技術を活用して企業変革や企業文化の変革をおこなうことを通じて収益力を高め、事業競争力を向上させることです。
デジタイゼーションのその最初の一歩に過ぎないのです。
デジタライゼーションとは
デジタライゼーションはデジタイゼーションに続くDXのステップと位置づけられています。
さきほどデジタイゼーションはITツールの導入によって最終的には収益向上を目指すものと説明しました。
それに対してデジタライゼーションはさらに踏み込んで、デジタル技術の活用によってビジネスモデルを変えてしまおうという動きです。
例えば以下のようなものがデジタライゼーションといえるものです。
● カーシェアリング
● ネットショッピング
● 動画共有サービス
● マッチングサービス
● オンラインストレージ
● 比較サイト
● 旅行予約サイト
など
このようにデジタル技術を用いて、従来は存在しないビジネスモデルを構築したり、または従来のビジネスモデルをデジタル技術の活用により進化させることで事業競争力を増していくことがデジタライゼーションと呼ばれます。
ビジネスモデルを変えると言われても、なかなかパッとは思い浮かびませんが、こうして並べてみると「そういうことか」と納得される方も多くいらっしゃると思います。
デジタイゼーションを経てデジタライゼーションまで進むと、本来のDXの意味や目的にかなり近づくのではないでしょうか。
一方、はじめから一足飛びにデジタライゼーションを目指すのは至難の業です。
まずはデジタイゼーションでしっかりとITツールを活用した収益向上を実現し、その次のステップとしてデジタライゼーションを通じてビジネスモデルの変革まで発展させ、目指すべきDXを実現する。そんなステップをおすすめしたいと思います。
自社の体力やリソースの実態を直視し、身の丈に合わせてステップを踏みながら目標設定してDXを進めることがDX成功のポイントかもしれません。
具体的なすすめかた
ここまでDX実現へのステップとしてデジタイゼーションとデジタライゼーションについて説明してきました。
デジタイゼーションで用いるITツールにはさまざまな種類がありますが、最近では現場担当者が自らの手でシステム開発できるローコード開発ツールやノーコード開発ツールと呼ばれる製品が登場しています。
これまで業務システム開発といえば専門業者にプログラム制作を依頼し、比較的高額な費用をかけて開発されることが多かったのではないでしょうか。
一方、ローコード開発ツールはほとんどプログラミング技術を必要とせずに思い通りに業務システムが開発できます。また、ノーコード開発ツールに至ってはまったくプログラミングを必要とせずに業務システム開発が可能です。
ローコード開発ツールやノーコード開発ツールを使えば業務担当者自らが、自社の実情に合わせて気軽に業務システム開発できるため、現場業務の改善にも高い効果が期待できるでしょう。
中でも当社ではサイボウズ社のノーコード開発ツールであるkintone(キントーン)をおすすめしています。
kintoneでかんたんにデジタイゼーションを実現し、その結果や成果をデジタライゼーションにつなげていく。
そんな皆さんを当社は応援してまいります。