サービス連携から始めるDX 代表的な連携手法とは

service連携から始めるDX

複数のサービス(主にSaaS)を連携させて、最初から多額の予算をかけず、小さなところから一歩ずつ業務改善を進め、スピーディに改善効果を実感し、成功体験を重ねながら最終的に全社DXへとつなげていく。中規模以下の企業にはこうしたDXの始めかたがおすすめと紹介しました。本コラムでは「連携させて」について基本的な部分をご紹介します。

連携とは

まず「連携」という言葉の意味を確認してみましょう。手元の辞書によると「互いに連絡をとり協力して何かをおこなうこと」とあります。ポイントは「互いに連絡をとる」ことと、「協力する」ことです。

人間同士であれば比較的かんたんに連絡を取り合えますし協力することもできます。ところがこれがITシステムやSaaS(以下、合わせて「サービス」と呼ぶ)の場合はどうなるでしょうか?どうすれば人間ではないサービスが互いに連絡をとったり、協力したりできるのでしょうか?

代表的な連携手法

サービスを連携させる手法はいくつかありますが、代表的な手法に「API(エーピーアイ)連携」「CSV(シーエスブイ)連携」があります。APIは「Application Programming Interface」の頭文字をとったものです。CSVは「Comma Separated Value」の頭文字です。何だかむずかしいですが、できるだけ分かりやすく説明しますのでご安心ください。

API連携とは

まずAPIとは「複数のソフトウェアプログラムやサービスをつなぐためのプログラム」です。APIはソフトウェアの開発元やサービス提供者から公式に提供されている場合が多いです。たとえば、SNSのようなサービスがあったとして、他サービスからそのSNSの情報を読み取ったり、他サービスからそのSNSに情報を書き込んだりすることを実現するために提供されているプログラムがAPIです。

各サービス提供者からは、いろいろな動作を行うためのAPIが提供されています。プログラムと言っても、サービス提供者から使い方に関する情報が詳しく公開されています。プログラム開発者はサービス提供者から指定されたAPIの使い方(API仕様)に沿ってプログラムを記述すれば、効率的にプログラム開発できるのです

CSV連携とは

次にCSVです。皆さんコンマで区切られた「品番,品名,数量,単価」のようなテキストデータを見たことがあると思います。これがCSVデータです。CSVを直訳すると「コンマで区切られた値」となります。

CSVはプログラム開発まではしたくない場合に複数サービス間でのデータ受け渡しに使われることが多いです。
たとえば、AサービスからCSV形式のファイルが出力され、Bサービスはそのファイルを入力として処理をすすめるなどです。

このとき、AサービスとBサービスは直接やりとりしていません。
Aサービスによって出力されたファイルを、Bサービスが読み込んでいるだけです。
Aサービスから出力されるCSVの値の並び順を、Bサービスの入力仕様に合わせる、またはその逆を行うことで複数サービス間の連携を実現します。

メリットとデメリット

2つの連携手法はどちらをとってもサービス連携は実現できます。ではどのように使い分ければ良いでしょうか?それぞれメリットとデメリットがありますのでご紹介します。

API連携のメリットは何よりも即時に連携ができること。片方のサービスの情報がほぼリアルタイムでもう片方のサービスに連携されます。

一方でデメリットはやはりプログラミングが必要な点です。技術的に難易度がかなり高くなりますので、かんたんに実現するのは難しく、多くの場合は専門業者に開発を依頼することになります。ただ、API連携の即時性は事業競争力強化の観点で大きな武器となるため採用する企業が増えています。

CSV連携のメリットはAPI連携に比べると実装のハードルが低いことと、サービス間の疎結合を実現できることです。
疎結合?と思われる方も多いと思います。疎結合については以下のコラムでご紹介していますので、ご興味あればぜひご覧ください。

CSV連携のデメリットはリアルタイムでの連携ができないことです。先ほどご説明したように、CSV連携では片方のサービスからCSV形式のファイルを出力し、もう片方のサービスがそのファイルを読み取ります。ですので、ファイル出力とファイル入力それぞれの処理時間が必要です。工夫すればある程度の時間短縮はできると思いますが、それでもAPI連携の処理時間と比べるとウサギとカメどころではないスピード差があります。

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