kintone(キントーン)で、できること・できないこと

kintone(キントーン)で、できること・できないこと

ローコード・ノーコード製品の導入におけるポイントの1つは、「できること」と「できないこと」の把握です。どんなに強力なツールであっても、すべての業務やあらゆる環境をカバーできるわけではありません。

この記事では、ローコード・ノーコード製品の1つであるサイボウズ社のkintone(キントーン)を例にとり、得意とすること(できること)と機能の制限などに触れながら、kintoneの導入・活用によりDX推進を成功させるためのヒントを紹介します。

kintone(キントーン)によるDX推進を具体的に検討されている方には、より専門的な説明やサポートを受けられるサービスもあります。
クロス・ヘッド株式会社のkintone de かんたんDXは、kintoneを活用した着実なDX推進を支援しています。導入を悩まれている方や不安を感じる方は、ぜひ無料相談をご利用ください。
※初回のみ

kintone(キントーン)とは?

kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型のノーコード開発ツールで、プログラミング知識不要で誰でも業務アプリを作成・運用できるプラットフォームです。
クラウドベースで動作するため、サーバー管理やメンテナンスの手間がかからず、インターネットに接続された任意の場所からアクセスが可能です。このため、オフィス、リモートワークなど勤務場所や時間を問わずにすぐに導入、利用を開始できます。

ノーコードで業務アプリを作成できる点は、企業の情報システム部門やDX推進部門の担当者にとっては大きなメリットです。開発に関する専門知識のないユーザーや現場の担当者が自分で業務アプリを作成できるため、業務効率の向上とともにシステム開発のコスト削減も期待できます。

kintone(キントーン)は、その柔軟性からさまざまな企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進をサポートしており、2023年7末時点で導入社数は30,000社を突破したとサイボウズ社はアナウンスしています。

kintone(キントーン)でできること

kintone(キントーン)でできること

業務に合わせたアプリの作成

kintone(キントーン)の最も強力な機能の1つは、業務に合わせたアプリの作成です。
”アプリ”とは、「キントーン」という箱の中にあなたの仕事の数だけ自由に追加できる「業務システム」です。

たとえば勤怠管理、交通費申請など、業務に応じたさまざまなアプリを作成可能です。プログラミング知識がなくても、アプリに対してドラッグ&ドロップで「項目」を配置するなどし、カスタマイズ可能なアプリをすぐに作成できます。日報や顧客管理、問い合わせ管理、タスク管理などのアプリを短時間で作成でき、現場の業務フローに即した形で運用できます。部門ごとに必要なツールを簡単に短時間で構築できるため、IT部門の負担軽減や業務効率化にもつながります。

社内の部門別活用例としては、

▼営業部門
顧客情報管理アプリを作成し、顧客名や連絡先、商談履歴、案件ステータスなどを一元管理。これにより、顧客対応がスムーズになり、案件の進捗状況も部門内でタイムリーに確認できます。
さらに、集計機能を利用して月次の売上報告や案件分析を効率的に行うことができます。
▼経理部門
経費精算アプリや交通費申請アプリを作成し、従業員が経費を簡単に申請し、承認フローを自動化。これにより、経理業務の負担軽減と、申請・承認プロセスのスピードアップを実現します。

kintoneの特筆すべき点の1つは、従来運用されていたExcelファイルによる台帳(リスト)や、または既存業務ツールからデータをエクスポート(書き出し)したCSVファイルを、簡単な操作でkintoneへインポート(読み込み)してアプリ化できることです。これにより、既存の業務プロセスはそのままに、業務データを効率的に一元管理することを可能にします。

kintone(キントーン)のサンプルアプリ

kintone(キントーン)には100以上のサンプルアプリ(アプリのひな型)が公式に用意されており、各業種や部署別および業務フローに合わせたアプリを選んでカスタマイズできます。導入初期からすぐに業務アプリを利用開始でき、業務効率化に直結するソリューションを短期間で導入できるのも魅力です。

データの一元管理と検索機能

kintone(キントーン)は、企業内データの一元管理を実現します。kintone上で管理されるデータはすべてクラウド上に保管されるため、データの紛失リスクを軽減できます。また、複数のメンバーが同時にアクセスできるため、データの最新状態を全員が把握でき、社内またはチーム全体でのコラボレーションを円滑に行うことができます。
kintoneのもう1つの重要な機能は強力な検索機能です。たとえば、顧客情報や案件データ、ファイルの中身までも検索対象とし、膨大なデータの中から必要な情報を瞬時に探し出せることで、業務データへの迅速なアクセスを可能とします。これによって、作業時間の削減・業務効率化の期待ができます。

データ管理が重要な部署や業務にとって、このような機能は非常に価値があります。特に、複数の業務ツールを使用しており、社内の情報が散在している場合には、このクラウド化と一元化機能が業務効率化に大きな効果発揮するのではないでしょうか。

便利な検索機能ですが一部制約があります。
検索語句として2文字以上のキーワードで検索する必要や、単語単位での検索が必要となる制約があります。
例)
・ ”茨城県”を対象に「茨」「城」「県」で検索できません。「茨城」「城県」「茨城県」で検索できます。
・ ”cybozu kintone2”を対象に「cy」や「kintone」で検索できません。「cybozu」「kintone2」と単語の単位で検索できます。

その他にもいくつか制約があります。詳しくはkintoneヘルプをご参照ください。

コミュニケーション機能

kintone(キントーン)は単なるデータベースではなく、社内外のコミュニケーションを効率化するツールという側面も持っています。プロジェクトの進行・管理やチーム内のコラボレーションにおいて重要な情報の一元化と、それに基づくコミュニケーションを支援するスペース機能やコメント機能があります。

スペース機能では、特定のプロジェクトやタスクごとに情報を集約でき、チームメンバー全員が関連情報をリアルタイムで共有できます。これにより、進行中のタスクや業務の状態をすぐに確認でき、無駄な報告や連絡を削減できます。さらに、各データやタスクに対してコメントを付けることができ、チーム内のコミュニケーションが効率化されます。たとえば、案件ごとの進捗についてフィードバック、担当者に対するアドバイス、をタイムリー発信することが可能です。

このような機能は、特にリモートワークやハイブリッドワークを運用している現場では非常に役立ちます。メンバーは社内外を問わず、どこからでも/どんなデバイスからでも、kintoneを通じて情報にアクセスし、業務を進めることができるようになります。

上記のような業務効率化を実現したい場合、または期待するDXソリューションとしてkintoneを導入したものの活用に悩んでいる場合、kintoneの導入・活用を専門的な立場でサポートする「SAPoTTo(サポっと)のサービスを検討してみてください。kintoneおよびkintoneアプリを活用した業務効率化を支援し、企業の生産性向上を強力にサポートします。

kintone(キントーン)でできないこと

kintone(キントーン)でできないこと

複雑な表計算の処理

kintone(キントーン)には基本的な計算機能が搭載されていますが、複雑な表計算や高度な財務処理には適していません。特に、Excelで使用されるような高度な関数やピボットテーブルを駆使したデータ分析は、kintone単体では限界があります。

たとえば複雑な会計処理や在庫管理システムなど、専門的な表計算機能が必要な業務には向いていません。kintoneで利用可能な関数は、四則演算やIF関数、SUM関数など基本的なものに限られています。集計業務には問題なく対応できますが、会計業務のように精密な計算が必要な場合には専用ツールの利用や連携をおすすめします。

なお、複雑な表計算を必要とする業務では、プラグイン(kintoneプラグイン)や外部サービスとの連携が解決策となります。あるいは「ローコード」と言われるようにプログラムの実装によって、たとえば在庫管理における入出庫の複雑な計算を組み込むなどのカスタマイズ開発が必要となります。

大規模なデータ管理

kintone(キントーン)は多くの業務において非常に便利なデータ管理ツールですが、大規模なデータ管理には限界があります。

具体的には、
・ 一度に取得できるレコード数
・ 一度に登録、更新、および削除できるレコード数
・ 1つのテーブルに登録できる行数の上限値
・ 同時アクセス数
などに、上限や推奨値がアナウンスされています。

そのため、大量のデータを扱う業務、たとえば大規模な顧客データベースや複数のテナントをサポートする物流センターの在庫管理などでは、kintoneだけでは不十分となる可能性があります。また、レコード数が増えると、データの処理速度が遅くなることもあり、業務に支障をきたすことがあります。

このような場合、データを別のデータベースシステムと連携させることが推奨されます。
たとえば、リアルタイムに大規模なデータを処理する際には外部のデータベースシステムを活用し、kintoneのAPIを使うことで他システムとシームレスにデータ連携をすることが、データ管理のボトルネックを解消する手段として考えられます。

自社がどのようなデータを扱っており、どのようなトラフィックが想定されるのか、kintoneの仕様に向いているかどうか、専門的なサポートによる検討や改善をご希望の方は、ぜひクロス・ヘッドにお問い合わせください。
グループウェア × DX推進の支援において、さまざまな業界と業種で多くの実績があります。
このうち、「SAPoTTo(サポっと)」では、kintoneを導入後に最大限活用するための導入活用支援を提供しており、在庫管理アプリや顧客管理アプリの構築支援実績もあります。

外部とのリアルタイムな情報共有

kintone(キントーン)は社内のチームや部署間での情報共有に優れていますが、外部の取引先や顧客とのリアルタイムな情報共有には制限があります。これは、kintoneのアプリやデータにアクセスするためには、kintoneのアカウントを持っている必要があるためです。kintoneのゲストスペースやゲストアカウント機能による公開・共有も可能ですが種々の制限があるため、外部の企業や顧客とkintoneを介してデータを共有したい場合は、追加の連携サービスやプラグインが便利です。

この課題を解決する手段としては、おもにkintoneプラグインの利用が挙げられます。kintoneプラグインの中には、kintone内のデータを外部に公開したり、外部からフォーム入力でkintone内にデータを登録することを可能にしたりするものがあります。
外部との連携においては、セキュリティーの観点から十分な注意が必要です。kintoneはセキュリティー面でも優れた機能を提供しており、アクセス権限やデータの閲覧・編集制御を細かく設定できるため、外部との情報共有を行う際には適切な権限管理を行うことで、セキュリティーを確保しつつ業務を円滑に進めることが可能です。
kintoneで利用するフィールドを、条件に応じて入力必須・編集不可に制御できるプラグインもあります)

こうしたプラグインを活用するだけでなく、kintoneの導入や運用に慣れているパートナー企業からのサポートを受けることもおすすめします。「kintone de かんたんDX」では、kintoneを使った情報共有の課題解決や、外部連携の方法について専門的な支援を提供しています。情報共有の設計や外部連携に不安を感じている方は、ぜひご相談ください。

24時間365日稼働が必要な業務システム

kintone(キントーン)はクラウドベースで提供されるサービスです。提供会社のサイボウズ社では月に1度のメンテナンスにより常に機能をアップデートしています。
定期メンテナンスにより、常にユーザーの要望に応える便利なツールへと成長し続けています。

一方で、必ず月に1度、kintoneを利用できない時間が発生します。このため24時間動作が必要、あるいは24時間利用者が存在するようなミッションクリティカルな業務システムには不向きとなります。
このような場合は、オンプレミスのサーバー(利用者が用意する物理的なサーバー環境)で動作するローコード・ノーコードシステムの採用を検討する必要があります。

導入時の注意点

kintone(キントーン)導入時の注意点

kintone(キントーン)を導入する際には、いくつかの注意点があります。
まず、最も重要なのは、システム全体の設計を十分に考慮することです。kintoneは非常に柔軟なプラットフォームですが、アプリを無秩序に作成してしまうと、業務がかえって複雑化する可能性があるかもしれません。
特に、大企業や複数の部署で利用する場合は、アプリの設計やデータ構造を慎重に考える必要があります。複数の部署で独自のアプリが作成されると、データの一貫性の維持や適切なアクセス管理が難しくなります。情報漏洩やコンプライアンス違反のリスクがあるため、IT部門と協力しながらガバナンスやガイドラインを設けることも重要です。

また、各業務プロセスに適したアプリを設計する際には、業務フローの整理を行い、どのデータをどのように管理するかを明確にすることが大切です。たとえば、顧客管理アプリと売上管理アプリを連携させることで、営業活動の進捗状況をリアルタイムに追跡できるようにするなど、業務の可視化を意識した設計が重要です。

そして、kintoneはノーコードで簡単にアプリを作成できる反面、複雑な業務フローや大規模データの管理には専門的な知識が求められることもあります。このため、社内の担当者がkintoneの運用に慣れるためのトレーニングや、導入後のサポート体制を充実させることが重要です。

導入要件の確認やシステム設計〜開発、kintone導入後の効果的な活用方法を学ぶことや運用サポートには外部パートナーとの連携も有効です。
kintoneの導入や活用を伴走型でも支援する「SAPoTTo(サポっと)では、kintoneを最大限に活用するためのトレーニングやコンサルティングサービスを提供しており、具体的な業務改善提案を受けることができます。

まとめ:kintoneの可能性を最大限に活かすために

kintone(キントーン)は、業務効率化を図るための強力なツールであり、プログラミングの知識がなくても、誰でも簡単に業務アプリを作成できる点が大きな魅力です。しかし、kintoneは万能ではなく、できることとできないことを理解した上で、適切に導入・運用することが成功の鍵です。
また、導入後の活用に悩んでいる場合、外部のサポートサービスを活用することで、導入効果を最大化することができます。もし、kintone導入に際して具体的なDX推進や運用サポートが必要な場合は「kintone de かんたんDX」や「SAPoTTo(サポっと)」といった専門のサービスの利用もぜひ検討してみてください。

kintoneによるDX推進支援:kintone de かんたんDX

「kintone de かんたんDX」は、サイボウズ社が提供するkintone(キントーン)を活用して、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するサービス
kintone de かんたんDX」は、サイボウズ社が提供するkintone(キントーン)を活用して、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するサービスです。
このサービスは、少しずつ業務改善を進めながら最終的にDXを実現することを目指す「伴走型支援」を特徴としています。大きな投資や大規模な変革を初めから行う必要はなく、kintoneを用いた小さな改善を積み重ねることで、効果を実感しながら進めていくのがポイントです。

具体的なサービス内容としては、kintone導入支援やカスタマイズ開発、既存システムとの連携などが含まれ、企業の現状に合わせたサポートが提供されます。また、kintoneプラグインを活用した機能拡張の支援も可能で、顧客対応履歴の管理や在庫管理、営業案件管理など、様々な業務プロセスの効率化が図れます。これにより、kintoneを中心とした業務改善を行い、企業全体でDXを推進するサポートを提供します。

kintone de かんたんDX」は、スモールスタートから始めるため、企業のリスクを抑えつつ、徐々に大きな成果を目指すことが可能です。業務のボトルネックを特定し、最も効果的な改善策を実行することで、全社レベルでのDX達成に向けた支援を行っています。

 

kintone導入活用支援:SAPoTTo(サポっと)

「SAPoTTo(サポっと)」は、kintone(キントーン)導入からアプリ開発までを支援するアドバイザリーサービスで、kintoneを活用して業務効率を向上させたい企業に向けたソリューション
SAPoTTo(サポっと)」は、kintone(キントーン)導入からアプリ開発までを支援するアドバイザリーサービスで、kintoneを活用して業務効率を向上させたい企業に向けたソリューションです。
このサービスは、kintoneを導入しただけでは活用しきれない企業や、アプリ開発に慣れていない担当者向けに、プロフェッショナルなサポートを提供します。
SAPoTTo(サポっと)」では、kintoneの使い方を学びながらアプリを作成できるように、定期的な打ち合わせを通じて企業の課題に沿ったアプリ開発をサポートします。たとえば、在庫管理アプリや顧客管理アプリ、営業管理アプリなど、業務に直結するアプリの開発を支援し、各企業に最適なソリューションを提供します。導入後のフォローアップも充実しており、社内でアプリを作成・運用できるスキルを習得できることが特徴です。
また、アプリ開発だけでなく、プラグインの選定や他システムとの連携も支援しており、Excelなど従来のツールで解決できなかった業務フローを改善します。

 

kintone(キントーン)プラグイン:CROSSPLugins(クロスプラグインズ)

「CROSSPlugins(クロスプラグインズ)」は、クロス・ヘッド株式会社が提供するkintoneの機能拡張プラグインシリーズ
CROSSPLugins(クロスプラグインズ)」は、クロス・ヘッド株式会社が提供するkintoneの機能拡張プラグインシリーズです。
このプラグインは、同社のkintoneのカスタマイズ開発や導入支援の実績をもとに、ユーザーのニーズに応じた機能を効率的に拡張するために開発されたkintoneプラグインです。
テーブル内のデータ重複チェックやフィールド非表示設定、階層式のドロップダウン表示といった、細かい業務ニーズに応じたカスタマイズが可能になり、kintoneの既存機能強化と利便性を向上させ、業務効率化や作業フローの最適化を実現します。
各プラグインは無料トライアル版も提供されていますので、導入前に試してみることができます。

 

クロス・ヘッドはサイボウズ社のコンサルティング&プロダクトパートナーです。
サイボウズ社製品の取扱いは18年以上におよび、サイボウズ社オフィシャルコンサルティングパートナー、オフィシャルプロダクトパートナーに認定されています。また、サイボウズが設定しているパートナー評価制度「Cybozu Partner Network Report」にてインテグレーション部門2つ星を3年連続受賞。豊富な実績をもとに、様々なお客様ニーズにお応えします。弊社以外で導入されたお客様へのサービス提供も可能です。
※クロス・ヘッドはサイボウズ社のオフィシャルパートナーです。

Cybozu Official partnerバナー2種,2つ星

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