情シス(情報システム部門)は、企業のデジタル基盤を支える「縁の下の力持ち」です。
日々の業務を支えるIT環境の整備から、セキュリティ対策、新たなシステム導入の推進まで、多岐にわたる業務を担う情シスは、企業運営の要と言っても過言ではありません。しかし、業務範囲の広さや人材不足など、課題も少なくないのが現状です。
本記事では、情シスの役割や具体的な業務内容を詳しく解説し、担当者に求められるスキルや直面する課題、その解決策に至るまでを網羅的にご紹介します。
情シス担当者はもちろん、企業運営に携わるすべての方々にとって、必読の内容です。
目次
情シス(情報システム部門)とは?
情シスは情報システム部門の略称で、企業のIT環境を整備し、維持する役割を担う部署です。
企業活動がデジタル化・高度化する中で、情シスの役割は単なる技術サポートに留まらず、事業の成長とリスク管理を支える重要な部門として位置づけられています。
役割1. ビジネス基盤の提供
情シスの役割の1つ目が、企業が日常業務を滞りなく遂行するための基盤を提供することです。
ネットワークインフラ、クラウドサービス、業務アプリケーションの運用・保守を通じ、従業員が効率的に働ける環境を整えます。
役割2. リスク管理
不正アクセスやデータ漏洩を防ぐためのセキュリティ対策、災害や障害に備えたBCP(事業継続計画)の策定など、事業の安定を守る役割です。
ITセキュリティの脅威が増す中、情シスはリスク管理の最前線に立ち、企業を守る必要があります。
役割3. イノベーション促進
IT技術を活用した新しい業務プロセスやサービス導入の推進も情シスの役割です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みにおいても、情シスは企画段階から実装・運用までの中心的な役割を果たします。
DXの推進方法に関しては本コラムでも多くの記事でご紹介しています。
ぜひご覧ください。
情シスの基本的な業務内容と具体例
情シスに多くの役割が求められていることからも予想できるように、業務内容は非常に幅広く、多種多様です。
ここでは先ほどご説明した3つの役割の中で、代表的な業務を4つのカテゴリーに分類し、具体的にご紹介します。
ヘルプデスク・ユーザーサポート
従業員が日常業務の中で直面するITに関する困りごとやトラブルを解決することで、業務の円滑な遂行をサポートする、情シスの業務の中で「現場に最も近い窓口」となる業務です。
この業務は、単なる「問い合わせ対応」に留まらず、従業員がより効率的に働ける環境を構築するための基盤を提供するものです。
-
- 一次切り分け・エスカレーション
問題の発生時に、原因を特定するための基本的な切り分けを行う業務です。
たとえば、「インターネットに接続できない」という問い合わせに対して、ネットワークの障害か、端末側の設定問題かを切り分けます。一次対応で解決できない場合は、専門部署やベンダーにエスカレーションします。
- 一次切り分け・エスカレーション
-
- ワークアラウンド対応
システム障害が発生し、即座の恒久対応が難しい場合、影響を最小限に抑えるための一時的な対処を行う業務です。たとえば、システムの一部が使えない場合に代替ツールの案内や、手作業で対応する方法を提案します。
- ワークアラウンド対応
-
- 問い合わせ管理、FAQ作成
従業員からの問い合わせ内容を記録し、蓄積したデータを分析することで、同様の問題が繰り返し発生しないよう対策する業務です。
また、よくある質問をFAQ(よくある質問集)としてまとめ、従業員が自己解決できる環境を整備することも重要です。
- 問い合わせ管理、FAQ作成
-
- アカウント作成・管理
PCなどで使用する、業務に必要な従業員のアカウントを作成・管理する業務です。
円滑な業務遂行とセキュリティのために、新入社員や中途社員の入社時はアカウントを作成、退職者に対してはアカウントを削除する作業を迅速に実施する必要があります。
- アカウント作成・管理
-
- 権限設定変更
業務上の役割変更や部署異動に伴い、ファイルやシステムへのアクセス権限を調整する業務です。
過剰な権限付与を防ぐことで、情報漏洩リスクを抑える役割があります。
- 権限設定変更
-
- メーリングリスト管理
プロジェクトチームや部署ごとに適切なメーリングリストを作成し、メンバーの追加や削除、リストのアクセス権限の設定を行う業務です。
- メーリングリスト管理
-
- パスワード初期化
従業員がパスワードを忘れた場合に初期化対応を行い、迅速にシステムへアクセスできる状態を復旧する業務です。
本人確認手順を確実に実施するなど、セキュリティを担保する手順が確立されていることも重要です。
- パスワード初期化
IT運用・保守
IT運用・保守は、システムやハードウェアの安定稼働を支える業務です。
企業がIT資産を安定的に活用し、業務を効率よく遂行するために、日常的なシステムの監視やメンテナンスから、突発的な障害への対応まで多岐にわたります。
-
- 定期メンテナンス
定期的にIT資産を点検・調整し、潜在的な不具合を未然に防ぐ業務です。
ネットワーク機器やサーバーの動作確認、不要なファイルの削除、バックアップのテストなどを行い、システムの最適な状態を維持する必要があります。
- 定期メンテナンス
-
- ログ管理
システムやアプリケーションの動作履歴やイベントをログデータとして記録・分析する業務です。
貯めたログデータは、不具合の原因特定やセキュリティインシデントの追跡に役立ちます。
また、近年では、ログデータをAIや機械学習を用いて分析し、異常検知や予防的な対応に活用する企業も増えています。
- ログ管理
-
- セキュリティパッチ適用
ソフトウェアやOSに発見された脆弱性を修正するための更新プログラムを適用する業務です。
この業務を怠ると、セキュリティリスクが高まり、企業全体の信頼性にまで影響を与える可能性があります。
- セキュリティパッチ適用
-
- 障害対応
サーバーダウンやネットワーク障害など、突発的なトラブルに迅速に対応する業務です。
問題の原因を特定し、可能な限り短時間での復旧を目指すと同時に、再発防止策を講じる必要があります。
障害対応は企業の業務継続性(BCP)に直結するため、計画的な体制整備が求められます。
- 障害対応
-
- PCキッティング
新しく導入したPCやモバイル端末に、企業の業務環境で使用するソフトウェアやセキュリティ設定をインストールし、準備を整える業務です。
特に大量のPCを短期間でセットアップする場合、効率的な自動化ツールの活用が重要です。
- PCキッティング
-
- ファームウェア更新
ハードウェア(ルーター、スイッチ、ストレージデバイスなど)の基本動作を管理するファームウェアを更新する業務です。
最新のファームウェアを適用することで、性能向上やセキュリティの強化を図ります。
- ファームウェア更新
-
- ソフトウェア・クラウド管理
従業員が業務で使用するソフトウェアやクラウドサービスの契約・ライセンス管理、利用状況の把握を行います。また、使用状況を分析してコストの無駄を削減することも重要です。
- ソフトウェア・クラウド管理
-
- インフラ管理
サーバーやネットワーク、ストレージといったITインフラの管理業務です。
すでに設置されているものの管理だけではなく、ハードウェアの新たな設置や保守、障害時のバックアップ運用なども含まれます。
クラウドインフラを利用している場合は、リソースのスケーリングや費用の最適化も重要な業務でしょう。
- インフラ管理
-
- ハードウェア資産管理
企業が所有するIT機器(PC、プリンター、スマートデバイス、ネットワーク機器など)を一元管理し、購入、配布、廃棄までのライフサイクルを記録する業務です。
- ハードウェア資産管理
IT企画・プロジェクト管理
IT企画・プロジェクト管理は、企業の経営目標や業務プロセスに合わせて、最適なIT施策を計画・実行するための業務です。
これらの業務は、情シスが単なる保守・運用の枠を超えて、事業の成長に貢献する存在となるための鍵を握っています。
-
- IT企画
企業戦略や業務課題を解決するために、どのようなITツールやシステムが必要かを検討し、その実現に向けた計画を立てる一連の業務プロセスです。
現状分析、要件定義、IT戦略の策定、予算・リソース計画などが挙げられます。
- IT企画
-
- 新規システム導入
計画に基づき実際にシステムを選定・実装し、組織全体に展開する業務プロセスです。
要件定義、ベンダー選定、必要に応じた設計・開発、導入テスト、実装までを管理し、導入後の運用も監督します。
- 新規システム導入
-
- 運用改善
既存システムや業務プロセスの効率化を図り、より良い結果を生み出すことを目指す業務です。
KPIの測定、プロセスの改善、PDCAサイクルによる継続的な改善なども実施する必要があります。
- 運用改善
ドキュメント管理
ドキュメント管理は、ITインフラやシステム運用に関連するあらゆる文書を整理・管理する業務です。
業務の効率化やトラブル時の迅速な対応を可能にすることはもちろん、組織内のナレッジを共有し、業務の透明性を高めることで属人化を防ぐことにもつながるため、重要な業務の1つです。
-
- システム構成図管理
情シスが運用するネットワークやシステム全体の構成図を記録・管理する業務です。
ネットワーク変更時の影響範囲の可視化、障害発生時の迅速な原因特定、新規システム導入時の既存構成との整合性確認などを実施する際に必要になります。
- システム構成図管理
-
- IPアドレス管理
社内ネットワークのIPアドレスの割り当て状況を管理し、重複や無駄を防ぐ業務です。
正確なIPアドレス管理は、ネットワークトラブルの予防や効率的なインフラ運用に直結します。
- IPアドレス管理
-
- 各種システム利用手順書管理
情シスが管理する業務システムやツールの利用方法をまとめた手順書を作成・管理する業務です。
手順書を使用する従業員にとって、作業手順が明確で分かりやすくまとまっている必要があります。
- 各種システム利用手順書管理
-
- 作業手順書管理
定期的な保守作業や障害対応のフローを文書化する業務です。
作業のミスや漏れを防ぐだけでなく、特定の業務に対する属人化の防止や、手順書を用いることで誰が作業を実施しても同じ質を提供することにもつながります。
- 作業手順書管理
-
- 運用管理資料管理
日常的な運用業務に関連する記録(例:ログ分析結果、メンテナンス記録)を体系的に管理する業務です。
過去のデータを容易に参照できることで、トラブルの再発防止策の策定を可能にします。
- 運用管理資料管理
-
- 人事台帳管理
会社内の個人や組織を台帳にまとめ、管理する業務です。
誰にシステムや仕事が紐づいているのかを可視化することは、業務遂行の向上のために重要な要素です。そのため、人事情報をユーザー台帳などの形でまとめることは、情シスでは必然的に必要となってくるでしょう。
- 人事台帳管理
-
- 契約管理
外部ベンダーとの契約やライセンスの更新期限を一元管理する業務です。
契約の管理が曖昧になると、サポート切れや必要ライセンス不足などのトラブルが発生する可能性があります。
- 契約管理
-
- 変更管理
システムやネットワークの設定変更を記録し、変更理由や影響範囲を文書化する業務です。
変更内容の追跡性の確保や、不具合発生時の原因追及の容易化につながります。
- 変更管理
-
- 問題管理
過去に発生した障害やトラブルの原因と対応策を記録する業務です。
過去の問題が管理されていることにより、将来の再発防止に役立てることができます。
- 問題管理
情シス担当者に求められるスキル
情シス担当者には、日々進化する技術や多様化する業務課題に対応するため、幅広いテクニカルスキルと高いソフトスキルが求められます。
これらのスキルは、企業の安定運営を支えるだけでなく、ITを活用した新たな価値創造を実現するために不可欠です。
また、情シス担当者には、「専門知識を持つエンジニア」であると同時に、「多部門をつなぐ橋渡し役」としての資質が求められます。
以下では、それぞれのスキル領域について具体例を交えて詳しく解説します。
テクニカルスキル:「専門知識を持つエンジニア」として必要な、技術的なスキル
インフラ関連
企業のITインフラを設計・運用・保守するスキルです。
-
- ネットワーク構築・管理
ルーターやスイッチの設定、VPN構築、社内LAN/WANなどの最適化 - サーバー管理
物理サーバーや仮想環境(VMware、Hyper-V、Kubernetesなど)の運用 - クラウド活用
AWSやAzure、Google Cloudなどのクラウドサービスを利用したインフラ構築・運用
- ネットワーク構築・管理
セキュリティ
企業の情報資産を保護し、サイバー攻撃や内部脅威に対応するためのスキルです。
-
- 脆弱性管理
システムやアプリケーションの脆弱性情報を定期的に収集・評価し、対策を実施する - セキュリティポリシー策定
社内規程の整備や従業員への教育・啓発活動 - インシデント対応
サイバー攻撃や不正アクセス発生時の初動対応と復旧
- 脆弱性管理
開発・運用
ITシステムの開発と運用を効率化するためのスキルです。
-
- プログラミング
Bash、Python、PowerShellなどのスクリプト言語を用いた自動化 - CI/CDツール
JenkinsやGitLab CIを活用した継続的インテグレーションとデプロイ - 運用モニタリング
ZabbixやNagiosを使用したシステム稼働状況の監視と改善
- プログラミング
ソフトスキル:「多部門をつなぐ橋渡し役」として必要な、対人的なスキル
コミュニケーション能力
情シスは多部門と連携しながら業務を進めるため、技術知識がない人々との円滑な意思疎通が求められます。
-
- ヒアリング能力
他部門の要望や課題を正確に聞き取る - 専門用語のわかりやすい説明能力
複雑な技術内容を非技術者にも理解できる形で伝える - 社外ベンダーとの交渉能力
契約条件やサポート内容を適切に調整する
- ヒアリング能力
マネジメントスキル
複数のプロジェクトや日々の運用を管理するために、計画・進捗を把握するスキルです。
-
- プロジェクト管理
スケジュール作成、リソース配分、リスク評価を行い、プロジェクトを成功に導く - チーム運営
メンバー間の役割分担やモチベーション管理 - ベンダー管理
外部委託先との関係構築と成果物の品質確認
- プロジェクト管理
問題解決能力
情シスは突発的なトラブルや複雑な課題に対処する必要があります。そのため、物事に対する問題解決のスキルも重要です。
-
- ロジカルシンキング
問題の本質を迅速に分析し、論理的に解決策を導き出す - 柔軟性と創造力
従来の手法にとらわれず、状況に応じた最適な解決策を模索する - 優先順位付け
限られたリソースで複数の課題を効率的に解決する力
- ロジカルシンキング
情シス業務の課題と乗り越え方
情シスは、企業のIT環境を支え、成長を促進する重要な役割を担っていますが、その業務にはいくつかの大きな課題が伴います。
情シス業務の効率化や負担軽減に関して適切な課題解決策を講じることは、情シスを「運用保守のための部署」から「イノベーションを生み出す部署」へと進化させるだけでなく、企業全体の競争力強化、成長にもつながります。
ここでは、情シスが直面する代表的な課題と、それを乗り越えるための方法を詳しく解説します。
代表的な課題
課題1. 業務範囲の広さ
情シスは、ヘルプデスク対応からITインフラの保守、セキュリティ対策、さらにDX推進に至るまで、多岐にわたる業務を担当します。
これらの業務は、単純作業だけでなく、専門知識や高度な判断力を求められるものも多いため、一人一人の担当者にかかる負担が非常に大きくなり、慢性的な長時間労働や、属人化などが発生しやすくなります。
課題2. 急なトラブルへの対応
情シスでは、システム障害やサイバー攻撃など、突然発生するトラブルに対応しなくてはならない場合があります。その際、他の業務を中断して対処しなければならないため、予定外の業務が頻発すると、通常業務の進捗が遅れ、全体的な業務効率が低下してしまいます。
課題3. DX推進による業務の高度化
近年では、DX推進の一環として、AIやIoT、クラウド技術など新しい技術を活用したプロジェクトが増えています。これに伴い、情シスには既存システムの保守運用に加え、新規システム導入や高度なデータ分析など、さらなる専門性が求められるようになっています。
課題4. 人員不足とリソースの限界
情シス部門は業務量が多いもかかわらず、多くの企業では情シスの人員が他部署に比べて少なく、少人数で膨大な業務を処理しなければなりません。
特に中小企業では、専任の情シス担当者が1〜2名しかおらず、「何でも屋」としてすべてのIT関連業務を任されるケースも少なくありません。
課題5. 担当者のスキルギャップ
新しい技術やセキュリティの脅威が次々と登場する中、情シス担当者全員が最新技術に精通しているわけではありません。人材の育成が追いつかず、スキル不足が原因で業務が停滞する場合もあります。
課題6. 予算の制約
情シスの業務には、システムの維持管理費や新規導入費が必要ですが、多くの企業ではIT関連予算が限られており、必要な設備やリソースを確保できないケースがあります。この制約が、適切な対応やイノベーション推進の妨げとなることもあります。
課題を乗り越えるための解決策
情シスが直面するこれらの課題に対して、企業が取るべき具体的な解決策をいくつかご紹介します。
解決策1. 業務の優先順位付けとタスク管理
業務を整理して重要度を判断
まずは、情シスの業務をすべてリスト化し、重要度や緊急性に基づいて優先順位を明確にすることが重要です。
たとえば、セキュリティ関連や障害対応といった緊急性の高い業務を最優先とし、次に運用保守やプロジェクト業務を進めるといった順序でタスクを整理することで、限られたリソースの中でも効率的に対応することができるでしょう。
タスク管理ツールの活用
チームで作業を分担する際には、タスク管理ツールを活用することも解決手段の1つです。進捗状況を可視化し、業務の漏れや重複を防ぐことでチーム内の連携を円滑にすることができます。
解決策2. 外部リソースの活用
アウトソーシングによる負担軽減
業務量と専門性から、社内リソースだけで情シス業務をすべて賄うのは困難な場合も多いです。このような場合は、アウトソーシングサービスを活用するのも課題の解決に有効です。
たとえば、ヘルプデスク業務やPCキッティング、定期的なシステム保守などを外部に委託することで、情シス担当者は高度な業務や戦略的な業務に集中できます。
クロス・ヘッドでもお客様の情シス部門の課題を解決する業務支援サービスである、『情シスSAMURAI』を提供しています。解決策の1つとしてご活用ください。
クラウドサービスの導入
オンプレミスでの管理負担を減らすため、クラウドサービスを活用するのも1つの方法です。
SaaS(Software as a Service)やIaaS(Infrastructure as a Service)を利用することで、システム運用の効率化やコスト削減を図ることができます。
専門家の活用
ITコンサルタントやセキュリティアドバイザーなどの外部の専門家を一時的に雇い入れ、課題解決やプロジェクト推進を加速させることも有効です。
情シスのプロ集団である『情シスSAMURAI』も、お客様の課題やお悩みに寄り添った伴走支援が可能です。
解決策3. 社内スキルの向上と教育
研修プログラムの導入
定期的な研修や資格取得支援を通じて、情シス担当者のスキルアップを図ることも課題解決につながるでしょう。
特に、セキュリティやクラウド技術に関する知識を深めることで、業務の幅を広げることが可能です。
ナレッジ共有の仕組み構築
情シス業務の手順やトラブル解決の知識をドキュメント化し、チーム内で共有する仕組みを構築することも、特定の個人に業務が属人化するリスクを減らし、全体のスキルレベルを底上げすることにつながります。
解決策4. 効率的なIT投資
投資の優先順位付け
業務のボトルネックやセキュリティリスクを特定し、それに対応する技術やツールに集中投資することも方法の1つです。
コスト削減の工夫
不要なソフトウェアライセンスやサービスを見直し、コストを削減することで、他の重要な領域への投資余地を確保することも、限られた予算の中では解決策となるでしょう。
アウトソーシングによる課題解決事例
上記で課題の乗り越え方を4つご紹介しましたが、中でも課題解決策として定評のあるアウトソーシングについて、『情シスSAMURAI』の具体的な事例をいくつかご紹介します。
ひとり情シス担当者の業務支援・改善
- 情シス担当者が社内に1人しかおらず、特別なIT知識やスキルを持っているわけではない
- ひとり情シス体制により、日々の運用業務で情シス業務が捌けない
- ひとり情シス担当者が退職してしまった
上記のような、ひとり情シスの課題を解決した事例をご紹介しています。
IT資産の管理支援
- IT資産の管理や把握方法が分からない
- システムの構成図や運用ルールがないため、トラブルが頻発している
情シスのプロである『情シスSAMURAI』が、構成図や運用フローのドキュメント化を整備した事例です。
ヘルプデスクの業務改善
- 情シス業務が担当者ごとに属人化している
- 会社は成長したが、情シスの体制が変わっておらず脆弱性がある
- 情シス業務を効率化し、DXにも着手したいが、方法が分からない
情シス業務の効率化で企業のDXを加速、ヘルプデスクの業務改善と代行により生産性が向上した事例です。
DXを検討している場合はこちらをご参照ください。
クラウド化、セキュリティ対策、働き方の支援
- クラウドへ移行したいが、最適な検討手順や方法が分からない
- セキュリティに漠然と不安を感じているが、スキルを持った人員がいない
- 自社開発の基幹システムを刷新したいが、最適な設計が分からない
『情シスSAMURAI』なら、システムの移行やセキュリティなど、専門的な知識が必要な作業に関するアドバイスも可能です。
まとめ
情報システム部門(情シス)は、企業のIT基盤を支えるだけでなく、ビジネスの成長を支援し、リスク管理やイノベーションを促進する重要な役割を担っています。
その業務範囲は、ヘルプデスクのような日常的なサポート業務から、ITインフラやセキュリティの運用管理、新規システム導入やDX推進などの戦略的な取り組みにまで広がっています。
一方で、情シスには業務範囲の広さや人材不足といった課題がつきまといます。
アウトソーシングの活用は、課題解決の有効な手段です。
専門性の高い外部リソースを活用することで、業務の迅速な引き継ぎや専門スキルの補完が可能となり、情シス担当者の負担軽減や対応力の向上につながります。
企業がDXを加速する現代において、情シスの役割はますます重要性を増しています。
適切な運営体制を整えることで、情シスは単なるサポート部門に留まらず、企業の競争力を高める「成長の原動力」としての機能を果たします。
本記事でご紹介した情報や事例を参考に、情シスの業務を効率化し、企業全体の成長を支える仕組み作りにお役立ていただければ幸いです。
『情シスSAMURAI』サービスページはこちらから