(HRソリューションズ株式会社 オフィス写真)
社会全体の成長と発展のために、「働く」ことを通して新しい価値の創造とプラットフォームを提供し続けているHRソリューションズ株式会社では、利用していたクラウドサービスの終了に伴い、AWSへのマイグレーションを検討することになりました。
使用中の仮想サーバーを、そのOSやアプリケーション・データなどに影響を与えることなく、そのまま新しい環境へ移行させる「リホスト」の手法をとり、AWS上で稼働させることを選択した同社。
このマイグレーションのサポートとシステムの整理を、クロス・ヘッドはクラスメソッド株式会社と共に行い、当初想定よりも大きく期間短縮することに成功しました。
AWSのマイグレーションツールを活用した大規模な移行作業のプロセスと、サポートおよび移行後の運用についての感想を同社の事業創造部の皆様にうかがいました。
同社は人材の募集から応募・採用・入社・再雇用まで、採用と雇用にかかわるあらゆるフェーズで課題解決を図るサービス「ハイソル」「リクオプ」をはじめ、様々なサービスを展開しています。同社のサービスは1,080企業41万事業所以上に導入されており、年間のべ600万人以上の就転職を支援しています。
HRソリューションズが移行を予定する環境は、大規模であっただけでなく、サーバー間でまたがって処理機能を構成しているケースもあり、切り替えのタイミングは慎重を要しました。
さらに同社にはシステム停止の時間も可能な限り短くしたい事情がありました。
小山様求職者が企業に応募する機会を逃してしまうことが、当社のお客様にとっては『機会損失』となります。ビジネスインパクトが最小限になるようリスクを明確に洗い出すのはもちろんのこと、できるだけシステムを停止させないように移行する必要がありました。
利用者や求職者へのサービス提供への影響と移行作業の安全性を秤にかけて、手順や順序を何度も組み直しながら複数回にわたり作業リハーサルを行った結果、導き出したのは約10時間。この時間内での移行を目指して作業計画がたてられました。全業務サーバーの移行にあたり、移行作業も2フェーズに分けることとしました。
まず、パブリッククラウドのサービス停止がせまっているサーバー群をフェーズ1として2019年4月から検討開始。残りのサーバーをフェーズ2として2020年4月から開始する計画を立てました。また、マイグレーションの実施にあたって、AWS移行の計画立案・コンサルティングをクラスメソッド株式会社に、AWS環境の構築・移行設計・移行作業をマイグレーション実績が豊かなクロス・ヘッド株式会社に依頼し、3社共同でプロジェクトを遂行することとしました。
移行前の環境で10年ほど稼働していた同社のサービスは、月日が経つにつれてインフラネットワーク構成も複雑になっていました。
当初は同社にてプロジェクトを全体推進し、マイグレーション作業も進める予定でしたが、
小山様製品の改良開発や製品の改良開発やサービスの品質向上活動を止めずに前に進めながら、AWSへの移行を行うにあたって、技術面や体制面での補強は必要でした。
AWSへの移行により副次的な効果もありました。既存のシステムでは、システムインフラの情報をドキュメントなどの「見える」形で残せておらず、インフラのスパゲッティ状態が発生していましたが、クロス・ヘッドの支援でAWSへの移行前に設計書という「見える」形に したことで、移行だけでなく、運用の課題も明確にすることができました。
小山様クロス・ヘッドは、AWSの知見ももちろんそうですが、例えばDNSやActiveDirectoryなどの企業のITインフラに必要な情報システム部門の知識も豊富で、かつ一時的に常駐してくださったので、問題はその場で解決できました。
以前のクラウド環境にあったサーバーの移行はすべて終了しました。社内業務に使っていたADサーバー、ファイルサーバーまで移行が完了し、業務に必要なサーバーは全てAWS上で稼働しています。
また、今後のAWS活用にむけた希望も社内に広がりつつあります。マイグレーションを通じて、同社のエンジニアにAWSに関するスキルトランスファーが行われたことで、サーバー増設を行った際も、AWSクラウドならではのスケーラビリティを活かして社内エンジニアによって素早く環境を構築できるようになりました。ビジネスのスピードアップに重要なクラウド技術を社内にも獲得できたのです。
倉重様
これからは攻めの運用に向かうべく、AWSのサービスを使い倒したいですね。例えば機械学習を活用して、応募が多かった求人原稿を分析すれば、企業と求職者のマッチングを高める工夫をすることもできるでしょう。当社のお客様に対するサービス向上にも繋がります。
部門のエンジニアにも良い影響が出ています。最新かつ汎用性の高い技術を使ったシステムの運用・管理ができるようになったことで、モチベーションの向上が見て取れるようになりました。
林様エンジニアがAWSの資格を取得し始めました。技術習得の目標が明確になってきました。
クロス・ヘッドは、AWS環境の攻めの運用を実現できるよう、引き続きサポートを行います。長年運用したシステムのマイグレーションを行うのは、作業工数の負担やリスクなどを考慮して躊躇することもあるでしょう。限られた時間や制約がある中ではなおさらです。
しかし、運用保守や、将来的な拡張性などを考えると、クラウドに移行するメリットは非常に大きなものになっています。
既存のシステムに大きく手をいれることなく、まずはそのままAWSにリフトし、その後で最適化へシフトを図ることも可能です。
クロス・ヘッドは、お客様の環境や条件にそって最適なAWSへの移行計画・設計・移行をご提案します。